母上様

現在、朝の7時30分です。
今日は母と祖母をある場所まで車で送り届ける約束をしています。
眠いです。
もうちょっと寝ていたかった。
出発は8時30分の予定。
母上よ、なぜ8時30分出発予定なのに、6時頃に、「あんた起きてる？そろそろよ」と確認の連絡をしてくるのですか？
なぜ10分毎に確認をしに来るのですか？
僕は眠くて仕方ありません。
8時30分に出発ですよね？
例え8時29分に目覚めても、きっちり予定時刻に出発すれば問題ないわけですよね？
母上とは、母上の腹の中にいる頃からの付き合いで、もう随分と長い年月を経ていると思います。
これまで何度同じことがあったでしょう。
僕なら大丈夫です。
約束の時間くらい覚えられます。
確かに母上が、約束の2時間前には出発し、約束の1時間50分前に現地に到着していないと気が落ち着かない性格だというのは、重々承知しています。
だけれども、僕は眠いんです。
いつからか僕は、時間に対して抵抗感が出来てしまいました。
時間を約束すると、ギリギリまで行動に移すのが億劫になってしまいました。
大げさに表現するならば、時間という強迫観念に縛られ、体が動かなくなってしまう、といっても良いぐらいなのです。
母上様、自己分析した結果、僕は、自ら考え、行動するのが性に合っているようです。
だから、約束の時間にしばしば遅れることは、決して僕がぐうだらで、睡眠に無常の喜びを感じているためではないのです。

そういうわけです、皆様。
だから今後、僕が約束の時間に遅れても、決して非難してはいけません。
現在8時00分。
まだ30分あるな。さあて、もう一眠り……。